2.2.新型の発生メカニズムは?
自然界にいるウイルスが、新しくヒトに感染するようになるには、つぎの3つのメカニズムがあります。
1.突然変異(宿主の中で遺伝子構造が突然変異すること)
宿主、というのは、ウイルスがもともと共存している個体のことです。
インフルエンザウイルスでは、水鳥が宿主となっていることが多いです。
この宿主のなかで、たまたまウイルスの遺伝子が変異すると、ヒトに感染性があるウイルスができます。
2.ブタによる遺伝子再集合(鳥型とヒト型の両方のレセプターを持っているブタの体内で混合感染がおこり、遺伝子の組み換えが起こる
インフルエンザウイルスには、鳥型、ヒト型、ブタ型、その他、ウマ、アザラシ、ミンク、クジラなどなど、動物に固有に感染するものがあります。鳥は鳥型の、ヒトはヒト型インフルエンザウイルスに感染するのですが、ブタは鳥型とヒト型の両方のインフルエンザウイルスに感染します。
この両方のウイルスに感染したブタの体内で遺伝子の組み換えが起こると、ヒトに感染性があるウイルスができます。
3.ヒトによる遺伝子再集合(偶然、鳥インフルエンザにヒトが感染してしまって、そこにヒトインフルエンザが感染した場合)
ヒトは、鳥型インフルエンザにかかることは少ないのですが、偶然、鳥インフルエンザに感染してしまったヒトが、ヒトインフルエンザにも感染してしまった場合、 そのヒトの体内で遺伝子の組み換えが起こると、ヒトに感染性があるウイルスができます。
(引用:「新型インフルエンザ対策について」 国立感染症研究所感染症情報センター 主任研究官 安井 良則 氏 講演録より)
つぎは、
2.3.現在の新型インフルエンザは?
です。
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